こんにちは。事務長です。前回のブログで、歯が抜ける原因の一つとして歯周病があると申し上げました。歯が抜ける原因としては、虫歯よりも多いようです。また、近年の研究で、お口の中だけでなく、全身に悪影響を及ぼすことが徐々に明らかにされてきています。
歯周病の自覚症状の一つに、歯茎からの出血があります。これは歯茎の血管から体内に侵入しようとする歯周病菌を撃退すべく白血球が集まり、そのために血管の壁が薄くなったところをブラッシングするからだそうです。
大半の歯周病菌は白血球により撃退されるようですが、死滅した細菌から毒素が出てそれが全身に悪影響を及ぼすとのことです。当然、生き延びて体内に侵入した歯周病菌も全身の様々なところで悪さを働きます。それゆえ、歯周病を早期に発見し、治療することが強く求められています。
これから、歯周病菌が全身に与える影響を具体的に見ていきましょう。かなり広範囲に影響が及ぶため、正直、怖くなってしまいました。しかし、このような情報に接することができたので、重大な結果が起きる前に対処する機会を得たと考えています。このブログをお読みの皆さまの一助になれば幸いです。
①心臓疾患・動脈硬化
歯周病菌が血管内を刺激することで、動脈硬化を誘導する物質が分泌され血管内に沈着物ができるようです。この沈着物があることで、血液の通り道は狭くなり、狭心症や心筋梗塞といった心臓疾患を発症させる原因となるそうです。もちろん、従来から言われている生活習慣に由来する部分も否定されていませんので、その点はお気を付けください。
②脳梗塞
①で紹介した血管内の沈着物が剥がれ落ち、脳内の微細な血管につまった場合、脳梗塞になってしまいます。歯周病の人はそうでない人の2.8倍も脳梗塞になりやすいとの結果があるそうです。
③糖尿病
死滅した歯周病菌の持つ毒素が、血糖値を下げるインスリンの働きを阻害する物質の分泌を促すそうです。それゆえ、歯周病の治療を進めると、インスリン阻害物質の分泌が減り、結果として糖尿病も改善するのだそうです。
④早産・低体重児
妊娠した女性が歯周病にかかっている場合、早産や低体重児になる危険性がかなり高まるとのことで、これは喫煙や飲酒とは比べものにならないほど高いのだそうです。特に妊娠を予定している女性は、徹底して歯周病対策を行っておくべきです。ちょっとの努力で大きなリスクを回避できます。
⑤誤嚥性肺炎
加齢により食べ物を飲み込む力が弱くなると、誤って気管や肺に食べ物が流れ込んでしまうことがあります。流れ込んだものの中に、細菌がいるとそれが繁殖して肺炎を発症します。この細菌の中で多いのが、歯周病菌であるとされます。
いかがでしょうか。一見すると歯周病とは何の関連もなさそうな疾患ばかりです。しかも重篤な結果をもたらすものばかり…。これら情報に接したとき、歯周病にはかかるまい、かかっているなら早く治そう!と心に誓ったものです。
ところが、歯周病にかかっていても初期のころは自覚症状がないため、気付いた時には手遅れ状況になることが多いです。
これに対処するには、自覚症状がない時から定期的に歯医者に通っていただき、歯周病菌の住みかとなるプラークや歯垢を除去していくことが大切になってきます。定期的にお口の中をきれいにすることにより、歯を失うリスクを少しでも減らしていくべきです。
ソフトバンクの孫さんも、3ヶ月ごとの定期的なケアを欠かさないそうです。
ところで、歯周病の発見が手遅れだった場合はどうすべきでしょうか。基本的には地道にプラークや歯垢を取り除くこととなりますが、外科的処置を取ることもあります。お口の中から歯周病菌を完全に取り除くことが目的です。
外科的処置の中でも大がかりなものとしては、かろうじて残っているご自身の歯をすべて抜いて歯周病菌の隠れ場所を無くしたうえで、一挙にお口の中から歯周病菌を一掃してしまうものがあります。歯周病の治療が終了した段階で、インプラントを埋め込んでお口の中を復元させます。このあと、きちんとお口の中をお手入れしていっていただければ、健全な状態を保つことができます。
おいかわ歯科クリニックでは、日本歯周病学会認定の専門医が在籍しており、適切な処置を行うことが可能です。そのうえ、インプラント治療にも力を入れておりますので、定期的なお手入れから外科的処置、さらにはインプラント治療まで一貫して行うことが可能です。
インプラントについて詳しくお知りになりたい方は、「こちら」のサイトをご覧ください。
2019年08月29日 更新